◆計算が苦手な子どもと保護者の方へ◆
大きな数のひき算で、何度もくり下りのある場合でも絶対に上の位から1借りないで答えを出す方法があるのでご紹介します。
まず 704 - 378 を計算しましょう。手順は次のとおりです。
① 704を4と700に分ける
② ひかれる数に9を並べたいから、5と699 に分け直す
③ 699から378をひく 699 - 378 = 321
④ 5と321を足す 5 + 321 = 326
よって 704 - 378 = 326
①と②でひかれる数をひきやすい数とその残りの数に分ける作業をします。一番上の桁のピッタリの数、つまり704なら700から1引いて699とし、のこりの4に今引いた1を加えた5の二つに分けます。ひきやすい9の並んだ数を使ってくり下りのないひき算をし、それに残りの数をたせば答えが求められるというわけです。
もうひとつやりましょうか。桁を大きくして、 50413 - 28765 を計算します。
① 50413を 413と50000 に分ける
② ひかれる数に9を並べたいから、414と49999 に分け直す
③ 49999から28765 をひく 49999 - 28765 = 21234
④ 414と21234 をたす 414 + 21234 = 21648
よって 50413 - 28765 = 21648
いかがでしょう。このとおり、どんなに大きな数になっても絶対に上の位から1借りてこなくてもひき算の答えが出せました。ちょっと安心できませんか。
保護者の方へ
学校では、13 - 8 のような、くり下りのある小さな数のひき算はさくらんぼ計算で教わります。大きな数は筆算で習うことが多いようです。でもくり下りが絶対にいやだという子は、この方法を使えば絶対にくり下がらないひき算をすることができます。どれだけ桁が大きい数でも早く正確に計算できます。
ぼくは昔、あるシステムエンジニアから、正しい答えが導ければどのような道筋のプログラムを組んでもいいんだと教わりました。算数も同じだと思います。自分が早く答えに辿り着く道を通って良いのです。それぞれのお子さまにとってやりやすい方法を見つけていきましょう。
市河三英